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東京不動産の購入手続き完全攻略:物件検索から登記完了まで8ステップ実践ガイド

※ 本記事は情報提供を目的とした個人的な分析であり、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資・税務・法務の判断は、公的資料の確認と専門家への相談の上、ご自身の責任で行ってください。記事の執筆時点以降、市場状況が変更される場合があります。

この記事は東京不動産投資完全ガイドのChapter 2深掘り記事です。 まずはピラーページで投資ロードマップの全体像を把握された上で、こちらで購入手続きの詳細をご確認ください。


なぜ購入手続きを別途深掘りするのか

日本の不動産市場は、外国人に対して驚くほど開かれています。ビザも、永住権も、政府の事前承認も不要です。しかし「買える」と「上手に買う」の間には大きなギャップが存在します。

韓国人投資家が最も戸惑う3つのポイントがあります。

  1. 言語の壁 — 重要事項説明は法律上、日本語のみで行われます。
  2. 書類の壁 — 非居住者は印鑑証明書・住民票を取得できないため、公証書類で代替する必要があります。
  3. 費用の壁 — 物件価格の8~12%の諸経費が発生しますが、事前に内訳を把握しておかないと「サプライズ請求書」を受け取ることになります。

この記事は、そのギャップを埋めるために書かれました。


Step 1. 予算確定 — 「物件価格の112~118%」が本当の予算です

日本の不動産購入における第一原則:物件価格だけでは買えません。

項目料率・金額備考
仲介手数料売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税法定上限
登録免許税固定資産税評価額 × 0.3~2.0%軽減措置の適用により変動
不動産取得税土地 1.5% / 建物 3~4%経減特例時の土地税率
印紙税1~6万円売買契約書金額基準
司法書士報酬10~20万円案件の複雑度による
火災・地震保険数万~10万円台構造・面積・補償範囲別
固定資産税・管理費精算日割り精算引渡日基準

シミュレーション例:売買価格5,000万円 → 諸経費約430~580万円 → 総必要資金約5,430~5,580万円

💡 ヒント: 予算は「物件価格 × 1.12」を最低ラインとし、余裕を含めて「× 1.18」まで確保するのが安全です。


Step 2. 仲介会社の選定 — 外国人対応経験が決め手です

日本の不動産仲介システムは、物件情報の非対称性という特徴があります。

チャネル特性注意点
SUUMO・At Home・Homes大手ポータル、物件数最多人気物件は掲載前に成約済みの場合も
REINS(レインズ)仲介会社専用ネットワーク一般の方はアクセス不可
外国人専門仲介多言語対応・契約通訳手数料体系は同一、付加サービスに差

仲介会社選定チェックリスト


Step 3. 物件探し・現地確認 — 数字の向こう側を見ます

優れたデューデリジェンスは、表計算ソフトの分析だけでは完結しません。現地でしか確認できないものが投資の成否を分けます。

必須確認書類3種

  1. 理事会議事録 — 直近3年分の大規模修繕計画、紛争履歴、管理費値上げ議論を確認します。
  2. 長期修繕計画書 — 今後30年間の修繕積立金残高推移を確認します。計画対比70%未満の場合、将来の一時金徴収リスクがあります。
  3. 重要事項調査報告書 — 管理会社が発行し、滞納状況・訴訟有無・管理規約の特記事項が記載されています。

現地確認のポイント


Step 4. 買付証明書の提出 — 価格交渉の出発点です

物件を決定したら買付証明書を提出します。法的拘束力はありませんが、これが事実上価格交渉の公式なスタートラインとなります。

項目内容
希望購入価格売出価格の3~5%引きが一般的
手付金額売買価格の5~10%
融資特約ローン不承認時の解除条件
引渡希望日通常、契約後1~2ヶ月
有効期間通常1~2週間

⚠️ 日本では「先に買付証明書を提出した方」が優先交渉権を持つ慣行があります。人気物件では当日提出が必要になることもあります。


Step 5. 重要事項説明 — 契約前の最後の安全装置です

日本の宅地建物取引業法は、契約締結前に重要事項説明を行うことを義務付けています。

外国人の方への実務アドバイス


Step 6. 売買契約締結・手付金の支払い

項目内容
手付金売買価格の5~10%。買主都合の解除時は没収、売主都合の解除時は倍額返還
印紙税1~6万円の収入印紙を契約書に貼付
融資特約期限内にローン不承認の場合、手付金全額返還。現金購入時は不要
違約金条項通常、売買価格の20%

⚠️ 非居住者の方へ:海外からの手付金送金には、コンプライアンス審査で2~3週間かかる場合があります。買付証明書の提出時点で送金手続きを開始されることをお勧めします。


Step 7. 融資の実行 — 非居住者の現実的な選択肢

条件融資可能性代表的な金融機関
永住権あり + 日本居住◎ 高い大手銀行の大半
永住権なし + 日本居住○ 中程度SMBC Prestia、SBI新生、スルガ
非居住者(海外在住)△ 限定的東京スター、一部外銀支店
完全リモート(訪日なし)× ほぼ不可現金購入が主流

非居住者の韓国人投資家の大半は現金購入を選択されます。融資が必要な場合の選択肢:

  1. 韓国国内の不動産担保ローン → ウォン調達 → 円転・送金
  2. 韓国の証券会社の外貨担保ローン → 円の直接調達
  3. 日本の一部金融機関 → 金利2.5~4.5%、LTV 50~70%

Step 8. 残金決済・所有権移転登記 — 取引の完結です

日本の不動産取引のクライマックスです。欧米諸国とは異なり、エスクロー制度は法的に義務化されていません。 代わりに司法書士が取引の安全を担保する要の役割を果たします。

決済日の進行順序

  1. 司法書士が売主・買主双方の本人確認 + 書類確認
  2. 司法書士が「登記可能」を確認 → 残金送金の指示
  3. 買主が残金 + 諸費用精算額を送金
  4. 着金確認 → 司法書士が法務局に所有権移転登記を申請
  5. 鍵の引渡し → 売買完結

🆕 2026年の変更点:国籍届出の義務化

2026年4月1日より、日本で不動産を取得する全ての個人(日本人を含む)は、登記申請時に国籍情報の届出が義務化されました。

非居住者の必須書類チェックリスト

書類用途取得先
パスポート原本本人確認 + 国籍証明(新規)
署名公証書(Affidavit)印鑑証明書の代替本国の公証人・在外公館
住所証明書住民票の代替本国の行政機関
納税管理人届出書税金納付代行者の指定管轄税務署
委任状(必要な場合)決済日の代理出席用司法書士が作成

タイムラインシミュレーション:物件発見→登記完了

非居住者の現金購入基準での典型的な所要期間です。

Week 1-2  : 物件探し・現地確認・買付証明書の提出
Week 2-3  : 重要事項説明・売買契約・手付金支払い + 海外送金開始
Week 4-6  : 残金着金待ち・書類準備(公証・翻訳)
Week 6-8  : 決済日 — 残金支払い・登記申請
Week 8-10 : 登記完了・登記識別情報(権利証)受領

総所要期間:約2~2.5ヶ月(融資利用時は+2~4週間追加)


データ基準時点(2026年4月): 仲介手数料上限:売買価格 × 3% + 6万円 + 消費税10%(宅建業法第46条)。登録免許税軽減税率:土地1.5%(2026年3月以降の延長要確認)。国籍届出義務:2026年4月1日施行。投資判断の前にリンク先の情報源で最新データを必ずご確認ください。

Investor Action:重要ポイント&チェックリスト

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免責事項:この記事は情報提供および教育目的でのみ作成されており、投資勧誘、法的助言、税務相談を構成するものではありません。あらゆる財務的決定を行う前に、必ず資格を有する専門家にご相談ください。過去の収益率は将来の結果を保証するものではありません。


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著者について

GSF author

Joseph (GSF) は東京・日本橋から、東京不動産、J-REIT、日韓マクロ動向を発信しています。

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