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日本の新築・中古マンションの違い — 価格・減価償却・修繕費を比較【2026】

日本の新築・中古マンションの違い — 価格・減価償却・修繕費を比較【2026】
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※ 本記事は情報提供を目的とした個人的な分析であり、特定の不動産・投資商品の売買を推奨するものではありません。投資・税務・法務・入国管理等の判断は、公的資料の確認と有資格の専門家への相談のうえ、ご自身の責任で行ってください。数値・制度・相場・運営情報は掲載時点のものです。確認なく意思決定に用いないでください。執筆後も市場・制度は変更される場合があります。

2026年4月の首都圏平均価格は、新築マンションの8,736万円に対して、中古マンションは5,321万円です。新築のほうが高い水準です。新築は最新設備を備え、当初の修繕積立金は低く見えやすい傾向です。一方、中古は取得価格を抑えやすく、減価償却の耐用年数は短くなる可能性もあります。ただし、中古では修繕積立金と流動性をより慎重に確認する必要があります。

私は東京・日本橋の中古マンションに住み、徒歩10分圏内で地下鉄4路線を利用しています。以下では価格、減価償却、修繕積立金、都心3区の流動性、日銀金利を同じ2026年4月時点で比較します。

新築と中古のどちらが向いているかは、まず目的次第です。


1. 新築と中古マンションの価格差はどのくらいか?

不動産投資の基本は「地域(立地)」です。東京と首都圏市場を理解するには、広域から都心コアエリアへと絞り込んでいく「ドリルダウン(Drill-down)」方式の分析が不可欠です。

地域別 新築マンション平均価格(2026年4月)

首都圏全体の平均がソウルを上回る水準ではありませんが、都心部に近づくほど価格が急激に上昇する階段状の構造が見て取れます。1

私が住む日本橋や銀座(中央区)、丸の内(千代田区)などのコアビジネスエリアと副都心コアエリアを網羅する都心6区の新築平均価格は、22,400万円に達しています。首都圏平均はあくまで全体的な動向把握のためのものであり、東京都心での実需および投資目的であれば、相対的に高い都心6区と23区の実際の相場を基準として資金計画を立てる必要があります。

首都圏全体の市場動向(新築 vs 中古)

指標新築マンション中古マンション
供給・取引量1,163戸(発売)3,903件(成約、-1.2%)
平均価格8,736万円(+24.6%)5,321万円(+5.4%)
㎡単価130.6万円85.93万円(+5.9%)
市場の活力初月契約率 62.3%(-4.0%p)東京都区部 72ヶ月連続で㎡単価上昇
在庫6,313戸45,215件(+2.7%)

出典:不動産経済研究所 PDF p.11、REINS サマリー PDF p.1~32

データから読み取れる事実は以下の通りです。

  1. 新築初月契約率 62.3%: 一般的に70%以上が「販売好調」の基準とされています。62.3%という数字は、前年同月比で4.0ポイント下落した水準です。
  2. 東京都区部の中古㎡単価が72ヶ月連続上昇: REINSのデータによれば、東京都区部(23区)の中古㎡単価は137.46万円(+10.1%)となり、72ヶ月連続で上昇トレンドを維持しています。
  3. 中古在庫の増加: 首都圏の中古在庫は45,215件となり、前年比で増加(+2.7%)しました。都心部の価格上昇に伴う利益確定の売りが出ている、あるいは都心の熱気が郊外へ拡散(熱伝導)している過程など、複数の解釈が可能なポイントです。

2. 新築と中古で減価償却はどう違うか?

減価償却(Depreciation)は、多くの投資家がまず検討する節税手段です。投資家の方々が特に注目すべき点は、新築と中古で耐用年数の算定方法が異なるということです。

定額法(現在の基準)

2016年4月以降に取得した建物には、定額法(直線償却)のみが適用されます。毎年同じ金額を償却費として控除する方式です。5

新築RC(鉄筋コンクリート)は47年

国税庁(NTA)の耐用年数表によれば、住宅用RC造の法定耐用年数は47年です。 47年耐用年数の定額法償却率は約0.022(2.2%)です。建物の取得価額を6,000万円と仮定すると、年間の償却費は約132万円となります。

中古マンションの短縮耐用年数(簡便法)

節税目的の投資が中古マンションに集中する理由は、国税庁のNo.5404に明記されている簡便法の計算式によるものです。6 法定耐用年数の一部または全部を経過した資産は、以下の公式で残存耐用年数を算出します。

(法定耐用年数 - 経過年数) + 経過年数 × 20% 端数切り捨て。算出された年数が2年未満の場合は2年とする

状況計算式(RC造47年基準)耐用年数
築20年(一部経過)(47 - 20) + (20 × 0.2)31年
築47年(全部経過)47 × 0.29年

建物の取得価額6,000万円を基準に比較すると。

初期に大規模な償却費を計上して所得税を防御することが目的ならば、築年数の経過した中古が圧倒的に有利です。ただし、個別の物件状況によって異なるため、事前に税理士とシミュレーションすることを強くお勧めします。


3. 修繕積立金では何を確認すべきか?

新築・中古を問わず、保有期間中ずっと発生する費用が修繕積立金(Repair Reserve Fund)です。価格表には表れませんが、利回りを大きく左右する要素です。

段階増額積立方式の構造

国土交通省(MLIT)のマンション標準管理規約コメントによれば、修繕積立金の方式は大きく2つに分かれます。7

日本の新築マンションの多くは、初期費用の負担が軽く見える「段階増額積立方式」を採用しています。そのため、入居初期は月額2〜3万円程度であっても、10〜15年後の大規模修繕の時期には大幅に値上げされる予定が長期修繕計画書に明記されているケースが少なくありません。

不足時に課される「一時負担金」

最大のリスクは、計画された積立金だけでは実際の修繕費用を賄いきれない場合に発生します。MLITの標準管理規約の解説によれば、修繕時に既存の修繕積立金が不足する場合、区分所有者から一時負担金または修繕一時金という名目でまとまった金額を徴収できると明記されています。7

したがって、中古マンションを購入する際は、表面上の修繕積立金(月額)が安いからと安心するのではなく、以下の3点を必ずデューデリジェンスする必要があります。

  1. 現在の管理組合の修繕積立金残高は十分か?
  2. 長期修繕計画書における今後の増額予定スケジュールはどうなっているか?
  3. 過去の一時金徴収履歴、または今後の徴収予定案件が議事録に存在するか?

4. 都心3区の中古マンションの流動性はどうか?

不動産投資の完成は売却(出口)にあります。売りたい時期に希望の価格で売れるかどうかという「流動性(Liquidity)」の指標を、都心3区(中央、千代田、港)のデータを通して見てみましょう。

都心3区 中古マンション需給動向(2026年4月基準)

指標数値前年同月比
成約件数(取引量)238件-9.2%
在庫件数(売り出し中)4,400件+43.0%

出典:REINS データ編 p.8 Ⅰ-3-(1) 成約状況、p.16 Ⅰ-3-(3) 在庫状況3

都心3区の中古マンション在庫件数は前年比で43.0%増加し、成約件数は9.2%減少しました。

その一方で、㎡単価は東京23区基準で+10.1%上昇しており、売り出し価格と取引価格は強固に上昇を続けています。取引は少しずつ減っているのに価格は下がらない、この奇妙なすれ違いをどう解釈すべきでしょうか。

ここで、都心の中古マンションに実際に住んでいる立場からの感想を少し付け加えたいと思います。都心3区の不動産価値を根底からしっかりと支えている最大の柱は、結局のところ**「職住近接がもたらす時間の節約」**です。ビジネスマンが路上に捨てる時間を節約してくれるだけでなく、病院や薬局、役所がすぐ近くにあり、10分以内に4路線を利用できる便利なインフラ体験は、一度味わうと郊外へ抜け出すのが難しくなる強い引力を持っています。たとえ築年数の古い物件であったとしても、です。

こうした都心インフラのメリットを熟知している資産家たちがコアエリアの価値を依然として高く評価しているため、価格の防衛力が強いのです。

しかし、投資家の立場からは、在庫増加局面での短期流動性リスク(希望価格での売却可否)について、明らかに保守的な計算が必要です。


5. 日銀の金利はマンション投資にどう影響するか?

日本の不動産投資の利回り(イールドギャップ)を支える柱である日本銀行(BOJ)の政策動向も見逃すことはできません。

2026年4月28日、日銀の政策委員会は賛成6・反対3の多数決により、政策金利を0.75%に据え置くことを決定しました。4

注目すべき少数意見(反対3名)

決定は「据え置き」でしたが、委員9名中3名(中川順子、高田創、田村直樹の両委員)は、直ちに金利を1.0%へ引き上げるべきだと強く主張しました。4 輸入物価上昇の波及効果を警戒したものです。

借入依存の高い不動産投資では、金利が1.0%超へさらに上昇すれば、賃貸利回りの低下と借入限度額の縮小を招きます。購入前の金利上昇ストレステスト(金利上昇時のキャッシュフローシミュレーション)は、以前よりずっと重要になった環境です。


6. 自分の条件には新築と中古のどちらが合うか?

本日複数のデータを通じて検証した2026年春の東京マンション市場は、新築と中古のどちらが絶対的に優位であると断定するのは困難です。投資家の状況に合わせた戦略が必要です。

この記事をまとめながら何度も見返した表は、減価償却の比較表でした。同じ取得価格でも築年数によって控除額がここまで開くという点が、想定より大きかったからです。

以下の表は情報提供を目的とした比較であり、特定物件の購入や税務判断を勧めるものではありません。判断前に、個別の状況を税務・金融・不動産の専門家へご確認ください。

投資目的検討候補(個別相談が前提)強み / 考慮事項
短期的な節税の最大化中古(高築年)短縮耐用年数の簡便法適用により、初期の償却費を集中して計上可能
安定した賃貸運営新築または築10年以下修繕費用の予測可能性が比較的高く、修繕積立金の初期負担が軽い
キャピタルゲイン(長期)都心コア立地新築価格(都心6区22,000万円)に比べ、相対的に参入障壁が低い立地の良い中古

投資を決定する前に、必ず以下のチェックリストをご確認ください。

Investor Action: チェックリスト

修繕一時金の問題、都心3区の在庫増加、金利引き上げの圧力など、短期的には保守的に確認すべき指標が存在します。したがって、購入時点での利回りと出口戦略は徹底的に計算しておくのが最も安全です。

結局のところ、新築と中古のどちらが正解かを探すのではなく、自分の戦略に合った判断基準をつくる過程のほうが重要だと思います。今日見てきた表は、その答えを代わりに出してはくれません。


記事に引用されたデータに対するファクトチェック基準(2026年4月): 新築平均価格および初月契約率(不動産経済研究所)1、中古成約・在庫状況および都心3区在庫 +43.0%(REINS)23、日銀(BOJ)政策金利0.75%据え置き 6:3(BOJ)4、国税庁(NTA)耐用年数簡便法公式6、国土交通省(MLIT)修繕一時金コメント7。投資判断の前には、必ず元ソースで最新データをご確認ください。

併せて読みたい記事

出典・参考資料

  1. 1.不動産経済研究所 首都圏 新築分譲マンション市場動向 2026年4月公式ポータル
  2. 2.REINS Market Watch 2026年4月 サマリーレポート公式ポータル
  3. 3.REINS データ編 2026年4月 (MW_202604data.pdf)公式ポータル
  4. 4.日銀(BOJ) 金融政策決定会合声明文 2026年4月28日公式ポータル
  5. 5.国税庁(NTA) 減価償却の計算方法 No.2106公式ポータル
  6. 6.国税庁(NTA) 中古資産の耐用年数 No.5404公式ポータル
  7. 7.国土交通省(MLIT) マンション標準管理規約 コメント公式ポータル

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GSF author
Joseph KIM

Founder & Editor · 2018年から東京在住・投資中。

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